DAIV-DQZ530S1P-EX9の性能

最終更新:2019/10/15

DAIV-DQZ530S1P-EX9の性能について。

CPU

CPUをはじめとするコンピュータ・システムを構成するパーツの性能を計測するベンチマーク・ソフトウェアはたくさんあるけれど、ひとまず、Intelをはじめ、AMDを含むx86互換CPUの計測結果が豊富に掲載されているPassMark Softwareのスコアを参考にした。旧メインPCのi7-860に対して、i9-9900Kは4.04倍のスコアが出ている。

2019年6月9日現在のスコア。PassMark Software © 2008-2019

LightWave 2015のレンダリング時間

ベンチマークのスコアはあくまでも目安に過ぎないし、スコアを上げるためだけのPCを組んでいるわけではないので、PCとして実用した場合にどのくらいのパフォーマンスが出るのかが重要。普段使っている3DCGソフトウェアはLightWave 2015。750,530ポイント(頂点)、1,473,360ポリゴンの重めのシーンをレンダリングして比較してみた。LightWaveの標準レンダラーはGPUを一切使わず、CPUだけでレンダリングするため、CPUのパワーがレンダリング時間の長短に直結する。

まず、i7-860の結果。

i7-860でレンダリングした時の結果。685.2秒で約11分25秒。

次に、i9-9900Kの結果。

i9-9900Kでレンダリングした時の結果。132.4秒で約2分12秒。
LightWave 2015
CPU 総レンダリング時間 ラジオシティ時間 備考
Core i7-860 685.2秒(11分25秒) 91.2秒(1分31秒) DDR3-1333
Core i9-9900K 132.4秒(2分12秒) 21.7秒 DDR4-2666
パフォーマンス 5.17倍 4.20倍

ベンチマークのスコアを参考にすると、3倍以上で4倍に近い結果が出れば御の字と思ってたけど、なんと、旧マシンより5.17倍も早くレンダリングが終わった。これは純粋に嬉しい。ハイパースレッドのないi7-9700Kとi9-9900Kのどちらにすべきか最後まで悩んだけど、8コア16スレッドの威力は凄まじい。メモリが旧メインPCの倍の帯域でデータを伝送できることも影響しているだろうけど、さすがにメモリの影響までは自分の環境では要因を分離できない。

レンダリング中のコア・クロックは4.2GHzで推移していたので、全コアにターボ・ブーストがかけられる最大クロックは4.7GHzだから、オーバークロックをしてなくてもまだ余力があることになる。とは言うものの、長期間電力制限(Long Duration Power Limit = PL1)が定格の95Wの状態だとターボ・ブーストは3.6GHzから少し上がったくらいにしかならない。

データシートを見ると、短期間電力制限(Short Duration Power Limit = PL2)はPL1×1.25となっているから、そのくらいまでは耐えられると判断してPL1を95×1.25=118Wに設定して試してみた。その結果、最大クロックは4.5GHzまで上がったけどコアの温度があっけなく100℃を超えてしまい、一部の物理コアにサーマル・スロットリングがかかって全コアの協調が乱れたため、レンダリング時間はまったく短くならなかった。

最初からついてきた90mmサイドフロー空冷クーラーではまったく力不足なのは明白なんだけど、CPUだけを「空冷最強」と言われるnoctua NH-U12Aのような高級クーラーや水冷クーラーで冷やせば済む話とは思えなくて、VRMへの負荷を考えると高電力常用はCPUやマザーボードの寿命を縮めかねない。5.17倍でも満足すべき結果だ。

日本ではi7-9700Fがようやく発売されたところだけど、そのベンチマーク・スコアを見るとi7-860の3.36倍のパフォーマンスが出せるようだ。ということは、まだ日本で発売されていない、「K」も「F」もついていない無印のi7-9700も同じくらいのパフォーマンスを期待できる。旧メインPCをリフレッシュしてレンダリングの演算能力を出させるだけのためのマシンを組んでもコストに対して高いパフォーマンスのものを作れそうなので期待が膨らむ。

GPU

グラフィックス・カードはQuadro P2000。ミドルレンジのカードではあるけど、最新のTuringアーキテクチャではなく、ひとつ前のPascalアーキテクチャのGP106をベースにしているので、それほど大きな期待をしているわけではないけれど、OpenGLに最適化されているので、3DCGソフトウェアでテクスチャ・マッピングをリアルタイムで表示させたい時は役に立つ。旧メインPCはGeForce GTS 250だった。

同じくPassMark Softwareのスコアで比較してみると、Quadro P2000はGeForce GTS 250の8.31倍のパフォーマンスとなっている。第9世代Coreシリーズ・プロセッサに内蔵されているIntel UHD 630グラフィックスのほうがGTS 250よりスコアが上回っているのを見ると時代の流れを感じる。

2019年6月9日現在のスコア。PassMark Software © 2008-2019

GPUの力量を端的に測るいい方法が思いつかなかったので、とりあえずCrystalMark 2004R7でスコアを出してみた。

まず、GeForce GTS 250を搭載した旧メインPC。OpenGLスコアは22,278。6ピンの補助電源が必要で、消費電力が150Wもあることを考えると、かなりワット・パフォーマンスは悪い。Intel UHD 630に代理をさせれば電力消費はもっと改善することになる。

次に、Quadro P2000を搭載したDAIV-DQZ530S1P-EX9。OpenGLスコアは256,951。GeForce GTS 250の11.53倍のスコアが出ている。GTS 250でもLightWaveで使う分にはそれほど力不足と感じたことはないので、自分の使い方でQuadro P2000のパワーを最大限引き出すのは難しいかもしれないけど、GTS 250の消費電力の半分の75Wで10倍の余力があるのは悪くない。

ELSA NVIDIA Quadro P2000 グラフィックスボード VD6269 EQP2000-5GER
参考価格: ¥ 64,278 (2019-06-10)
エルザ (2017-03-27)

M.2 SSD

M.2 SSDはADATAのASX8200NP-480GT-C。シーケンシャル・リードは約2,900MB/s(23Gbps)出ている。SATA SSDでも十分速いと思ってたけど、10秒くらいでWindowsが起動するのはさすがに驚異的。もっと高級なM.2 SSDなら3,400MB/sとか出るそうだけど、自分にはこれで十分だ。

ADATA Technology XPG SX8200 PCIe Gen3x4 M.2 2280 SSD 480GB ASX8200NP-480GT-C
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参考価格: ¥ 16,475 (2019-06-10)
ADATA Technology (2018-06-05)

HDD

HDDはSeagateのST4000DM004(4TB SATA600 5,400rpm)だけど、同容量のWDのWD40EZRZ-RT2(4TB SATA600 5,400rpm)とRAID 1を組んでしまっているので、シーケンシャル・リードは165MB/sと平凡な結果。HDDに速度を求める時代ではないので、故障せずにデータの保管庫としての役割を果たしてくれればそれで十分。

【国内代理店品】WD 内蔵HDD Blue 3.5
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参考価格: ¥ 8,750 (2019-06-10)
Western Digital (2018-01-01)

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DAIV-DQZ530S1P-EX9

最終更新:2019/10/15

今使っているパソコンがそろそろ10年選手になる。第1世代Intel Core i7シリーズのCore i7-860プロセッサ(Lynnfield)搭載で、プロセッサ・ナンバーが3桁という段階でかなり古いパソコンだとわかる。一応4コア/8スレッドの当時のハイエンド・プロセッサと、DDR3-1333メモリを12GB搭載していて、システム・ドライブをSATA SSDに換装していたので、通常の用途では不自由を感じることはなかった。でも、第9世代Intel Coreシリーズが実にCore i7-860の約4倍のパフォーマンスを持っていることに興味を持った。2018年後半の発売直後から続いた品薄状態が解消されて入手しやすくなったこともあり、ついに新しいパソコンを買ってしまった。

今のパソコンがマウスコンピュータ(現・マウス)だったので、MCJ系列で探していたんだけど、メンテナンス性や操作性で評判のいいケースを採用している、マウスのクリエイター向けブランドDAIVシリーズから選んだ。同じMCJ系列のパソコン工房でも似たような部材でマウスよりも安く買うことはできたんだけど、安い代わりにケースも安普請で、ケースのデザインと仕様がどうも気に入らなかった。

BTOパソコンを選択する理由は自分の要求に必要十分な性能と購入後の拡張性を重視するものだと思っているので、デザインを要求するのは本末転倒かもしれないけど、ケースが扱いづらいと後々面倒な思いをすることになる。かと言って、ケースを好きなものに買い換えてパーツを全部移植するというのも時間がもったいないし、要らなくなったミドルタワーサイズのケースは粗大ゴミになるので処分するのにも手間もお金もかかる。

マウスのウェブサイトのBTOメニューで色々組み換えて見積もりを出してみたんだけど、同じスペックならどうやってもパソコン工房よりもコストパフォーマンスが悪くなる。そこで、秋葉原にあるマウスのダイレクト・ショップに直接行って、「とにかくDAIVのケースにCore i9-9900KとQuadro P2000さえ搭載されていてWindows 10 Proがインストールされていればあとは妥協する」ということで交渉してみたら、DAIV-DQZ530S1P-EX9というモデルを提案された。これは、いわゆる「即納モデル」というやつで、パーツ選択にほとんど注文がきかなくなって価格交渉ができなくなる代わりにBTO通販よりも割安に導入できるというものだ。

仕様

マウスがBTOの選択肢として採用しているパーツはブランドを指定していないものが多いけど、ケースを開けたり、HWiNFO64を使って調べたパーツ構成を次に示す。CPUやグラフィックス・カードのような廉価版を用意できないものを除くと、コストパフォーマンス重視のパーツ選択をしているようだ。

DAIV-DQZ530S1P-EX9
項目 メーカー 型番 仕様
CPU Intel Core i9-9900K 8C/16T 3.6GHz/TB 5.0GHz
CPUクーラー 不明 8M Series CPUFAN 90mmファン付サイドフロークーラー
1,300~3,200rpm/PWM
CPUグリス 親和産業 ダイヤモンドグリス OC7 12.56W/m・k
OS Microsoft Windows 10 Pro OEM版
メモリ Kingston KVR26N19D8/16 16GB 2666MHz DDR4 Non-ECC CL19 DIMM 2Rx8
マザーボード MSI Z390-S01(詳細記事 Z390チップセット
LAN RealTek  RTL8111H PCI-E GbE 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T
グラフィックス ELSA Quadro P2000 CUDA1024 5GB GDDR5
DisplayPort×4
M.2 SSD ADATA ASX8200NP-480GT-C M.2 2280 PCIe Gen3x4  NVMe 1.3 480GB
HDD Seagate ST4000DM004 SATA 6GB/s 5,400rpm 256MB Cache 4TB
光学ドライブ 日立LG GH24NSD5 DVD-R/RW/ROM (SL/DL)
DVD-R DL
DVD-RAM (Ver.1.0/2.x)
DVD+R/+RW
DVD+R DL
CD-R/RW/ROM
CD-DA (DAE)
M-DISC
カードリーダー RealTek USB 3.0接続カードリーダー 17 in 1
SD/SDHC/SDXC
microSD/microSDHC/microSDXC
MS/MS Pro/MS Duo/MS Pro Duo
MS Micro (M2)
MMC/RS-MMC
MMC Plus/HS-MMC
MMC mobile
CF Type I/CF Type II
MD
リムーバブルケース 不明 3.5インチHDD用搭載 SATA接続 1.5GB/s
電源 不明 700W 【80PLUS BRONZE】  
ケースファン BeCool 120mm ケースファン 12V 700~1,800rpm / PWM

内部

仕様書ではわかりにくいパーツの外観などを紹介していく。外観はプロのカメラマンが照明などにも気を遣って撮影した綺麗な写真がネットにいくらでもあるので、あえて外観写真は掲載しないことにする。

まず、左側面のパネルを外した状態。マザーボードはMSI製で、Z390-S01という型式番号のシールがCPUとメモリ・スロットの間に貼られている。マザーボードの仕様は後日調査して記事にしたいと思う。市販のマザーボードではないだけに、その仕様というのは結構気になるものだ。

最近のDAIVシリーズは、ケース内部のシャドウ・ベイのケージや配線類がすべて黒で統一されていて、ほぼ真っ黒。見た目はスタイリッシュでいいけど、結束されている電源ケーブルの束の中から内蔵機器電源用のペリフェラル4ピン等のケーブルを引き出したい時は色で区別ができないので、どこの結束を解けばいいのか判りにくいのが欠点と言えば欠点。

CPUクーラー

納品書には「8M Series CPUFAN」としか書かれていなかったCPUクーラーの外観。ダイレクト・ショップの営業担当者の話ではリテールよりはマシなくらいのトップフロークーラーだという説明だったけど、大型のヒートシンクと90mmサイズのファンが取り付けられたサイドフロークーラーだった。ネットで調べた限りではメーカーなどは特定できなかったけど、G-TuneなんかのマウスのBTOパソコンには第6世代Intel Coreシリーズくらいの頃には既に搭載されていたもので、息の長い製品のようだ。

HWiNFO64で計測した限りでは1,300~3,200rpmの範囲で回る。CPUの負荷を100%にして3,000rpm以上で回り出すと低音の音がし始めてファンノイズがかなり大きくなるけど、甲高い音が周期的にうなるように鳴るファンに比べればマシなほう。CPUパッケージ温度は70℃くらいまでで抑えられていたので、さしあたって冷却性能には問題なさそう。夏場になってサーマル・スロットリングが働いてしまうほど余力がなくなってきたら120mmサイドフロークーラーに置き換えてもいいかもしれない。

ATX電源

納品書では700W 80PLUS BRONZE電源ということになっているけど、電源ユニットには出力等の仕様を示すシールなどが貼られていないので、本当に700W電源なのか、80PLUS BRONZE認証なのかはわからない。プラグイン方式の電源ではないので、やはりコストパフォーマンス重視と言えるだろう。配置は最近のPCケースで流行りの底部設置になっている。重心が低くなって転倒の危険が減るのがメリットだけど、CPUが遠くなるので電源ケーブルの引き回しが若干難しくなるという欠点もある。

M.2シールド

納品書やBTOメニューには具体的な仕様が明言されていないパーツ。写真のように、M.2 SSDをすっぽり覆う形の金属の板で、M.2 SSDのヒートシンクとしてはもっとも単純な仕組みのもの。外観としてはMSIが同名の製品でマザーボードの付属品などとして販売しているものとよく似ている、というか、ほぼ同じ。写真のものは2280サイズのものだけど、22110サイズのものもあるようだ。

ヒートシンクというよりは、その名のとおりM.2 SSDをシールドして保護する目的か、最近のゲーミングPC用のケースは側面パネルが透明のものも多数あるので、むき出しのSSDを目隠しする目的のものなのかもしれない。SSDとM.2シールドの間に空気が少しでも入っていれば熱伝導率は大幅に落ちるので、冷却性能としては気休め程度のものだと思うけど、HDDが30~33℃の状態で、M.2 SSDは23℃前後だったので、それほど神経質にならなくてもいいのかもしれない。

ケースファン

ケースファンは、BeCoolというブランドの120mmファン。ネット通販も含めて一般販売店で見かけることはあまりない。ファンブレードの形状から見て、12025-2 Axial SeriesのAD1225S(R/B)12M-N(P/M)と思われる。仕様書上では風量は2,000rpmで73.52CFMとまずまず。

グラフィックス・カード

グラフィックス・カードはQuadro P2000なのは仕様書どおりだけど、営業担当者の話では、エルザ製ということだった。

GeForceのように、オーバークロックに対応するためにベンダーによってヒートシンクの構造・形状やファンの大きさ・数が異なっていたりするのと違い、Quadroの場合はベンダーによる仕様の差はほとんどないんだけど、問題は、CPUのEPS12V電源ケーブルがグラフィックス・カードの下を通っているということ。ATX電源を底部配置にしているので、延長ケーブルなしではマザーボードの上端にあるCPU電源ソケットにEPS12V電源プラグが届かないためなんだけど、空きのPCI Expressスロットに何か拡張カードを追加しようとする時に電源ケーブルが邪魔になる。

アイネックスの延長ケーブルを使えば、右回りでも余裕でCPU電源ソケットにEPS12V電源ケーブルを配線できるのでお勧め。Amazonでは1,200円くらいだったけど、秋葉原のパーツ・ショップやヨドバシカメラでは1,000円くらいで買える(同じ家電量販店でもビックカメラは自作用PCパーツの取り扱いが少ないので店頭での入手はあまり期待できない)。他のパーツはともかく、電源ケーブルは発熱・発火などの安全面にも影響するものなので、信頼できる品質のメーカーのものを選びたい。

AINEX EPS12V用電源延長ケーブル [ 45cm ] PX-011A
参考価格: ¥ 1,210 (2019-02-23)
AINEX (2015-05-29)

BTO構成との比較

構成が比較的似ているDAIV-DQZ530S2-M2をBTOで同様の構成に変更した場合と、パーツを全部自分で揃えて自作した場合の価格の比較をしてみた。

DAIV-DQZ530S2-M2との比較
項目 DAIV-DQZ530S2-M2 DAIV-DQZ530S1P-EX9 BTO価格 単体価格
CPU Intel Core i7-9700K Intel Core i9-9900K +¥ 22,800 ¥ 65,000
CPUクーラー CoolerMaster Hyper 212 EVO 8M Series CPUFAN 0 ¥ 3,000
CPUグリス 標準CPUグリス ダイヤモンドグリス 親和産業 OC7 +¥ 1,900 ¥ 1,000
OS Windows 10 Home Windows 10 Pro +¥ 5,800 ¥ 20,000
メモリ 16GB PC4-19200/DDR4-2400 32GB PC4-21300/DDR4-2666 +¥ 25,800 ¥ 31,000
マザーボード Z390-S01 Z390-S01 0 ¥ 14,000
グラフィックス Quadro P2000 Quadro P2000 0 ¥ 59,000
M.2 SSD 512GB NVMe対応 480GB NVMe対応 0 ¥ 17,000
M.2部材 なし M.2 シールド +¥ 500 ¥ 500
HDD なし 4TB 3.5インチ SATA 6GB/s 5,400rpm +¥ 19,800 ¥ 8,000
光学ドライブ なし DVDスーパーマルチ +¥ 3,800 ¥ 3,000
カードリーダー なし USB 3.0接続カードリーダー +¥ 3,800 ¥ 2,000
リムーバブルケース なし 3.5インチHDD用搭載 +¥ 3,400 ¥ 3,000
電源 500W 【80PLUS BRONZE】 700W 【80PLUS BRONZE】 +¥ 6,800 ¥ 9,000
ケースファン 120mm ケースファン 700~1800rpm / PWM 120mm ケースファン 700~1800rpm / PWM 0 ¥ 1,000
価格 ¥ 199,800 ¥ 239,900 ¥ 294,200 ¥ 236,500
差額 +¥ 0 +¥ 40,200 +¥ 94,400 +¥ 36,700

パーツをバラバラに揃えた場合の単体価格は、ネットで調べられる範囲での価格を1,000円単位で丸めて概算した。あくまでも安めに購入できた場合を想定した価格なので、このとおりの価格で購入できるとは限らないし、需給バランスで相場は常に変動するものなので、参考程度にとどめておいてほしい。参考価格には、SATAケーブルやケース本体の価格は含まれていない。なお、マザーボードは似たような仕様のMSIのMPG Z390 GAMING PLUSの価格を準用した。

OSについては、何らかのハードウェアのバンドル品としてついてくるDSP版メディアを買うとか、安く入手する方法は色々あるかもしれないけど、そういう裏技的なものは考えないものとした。

では、BTOでのアップグレード価格は妥当なのか見ていこう。

CPU

Core i7-9700KをCore i9-9900Kにアップグレードするのが+22,800円なのは概ね妥当。

メモリ

メモリのクロックが2,400MHzから2,666MHzに少し速くなって、容量が倍になってもNon-ECCなら価格は倍にまではならないので、DDR4-2400 16GBからDDR4-2666 32GBにアップグレードするのが+25,800円は10,000円くらい割高。Intel XMPにも対応していないお徳用メモリなので、オーバークロック耐性もない。

キングストン デスクトップPC用 メモリ DDR4 2666 16GB CL19 1.2V Non-ECC DIMM 288pin KVR26N19D8/16 永久保証
参考価格: ¥ 15,499 (2019-02-23)
キングストンテクノロジー (2019-01-23)
キングストン デスクトップPC用メモリ DDR4 2400 (PC4-19200) 8GB CL17 1.2V Non-ECC DIMM 288pin KVR24N17S8/8 永久保証
参考価格: ¥ 9,250 (2019-02-23)
キングストンテクノロジー (2016-08-15)

HDD

Seagate BarraCuda 4TBなら8,000円台で買えるので、HDD 4TB追加の+19,800円は10,000円くらい割高。Western Digital Blue 4TBでもそこまで高くはない。SeagateならIronWolf、Western DigitalならRedくらいのグレードじゃないとちょっと割に合わない。そもそもIronWolfやRedは24時間365日稼働前提のNAS向けHDDなので、デスクトップPCの内蔵HDDとして必要なのかどうかは別問題なんだけど。

【国内代理店品】WD 内蔵HDD Blue 3.5
参考価格: ¥ 8,822 (2019-02-23)
Western Digital (2018-01-01)

総合的に考えると、即納モデルの+40,200円くらいが妥当な価格と言えると思う。もちろん、価格面だけ見た場合に損はしていないというだけの話で、本当はメモリはDDR4-2400の16GB、M.2 SSDは256GBで十分だったし、メモリーカードリーダーのように使用頻度の低いパーツもついてきてしまっているので、「性能そのものは大は小を兼ねるし、オマケをつけてもらった」と思って納得するより他にない。ただ、秋葉原に在来線で行けるなど、それほど遠くない距離に住んでいる人は、直接ダイレクト・ショップに行って掘り出し物がないか相談してみる価値はあるので、安易に通販を選ぶ前に脚を伸ばしてみるのをお勧めする。

逆に、BTO通販で好きなようにスペックを盛ってしまうとかなり割高のように見える。もちろん、価格には工場で注文どおりに間違いなく組み立てる工賃や工場の維持費も含まれているし、ダイレクト・ショップなどに常駐している営業担当やその他パソコンの組み立てとは関係ない仕事をしている従業員の報酬、乃木坂46を採用しているテレビCMのような広告宣伝費、及びマウスの企業としての利益も含まれているので、価格だけを見て一概に高いとは言えない。

ネット通販で日本全国から好みのパーツを入手できるようになったとはいえ、パソコンのパーツを手に入れにくい地方に住んでいる人にとっては交通費や送料などを考慮するとやむを得ない価格とも言える。マウスで十分検証していて、初期不良を除けばパーツ間の相性問題はないと言って良いので、そういった安心感の部分が価格に転嫁されているとも言える。

自作PCを組み立てた経験がある人や、HDDやメモリの増設くらいなら自分でできる自信がある人は、CPUの装着など慎重な作業を必要とし、素人には手の出しにくい部分などのアップグレードに留めて可能な限り必要最小限の規模で組んでとりあえず動くようにしてもらって、後で不満があるならばAmazonやパーツ・ショップをうまく利用して部品を買い揃えていくのがオススメ。

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