ブリリアント・カット

最終更新:2016/09/06

成り行きで58面ブリリアント・カットを作ってみた。

三角ポリゴン以外では完全平面を作るのって結構難儀なんだけど、あえて完全平面を目指してみた(LightWaveで言うところの平面率0.0%)。精度が悪くてもよければ簡単に作れるんだけどねー。

石の幅を100%とすると、頂点の座標は0.000006%くらいの誤差があるけど、モデラーの精度の限界なのである程度は仕方ない。要はレイトレースの精度を確認するためなので平面がうまくできていればいいことにする。

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brilliant001

本当にブリリアント・カットなのかちょっとわかりにくいので、直上からの構図で透過ワイヤーフレーム。各部の比率はBrilliant Cut Diamonds(英語)を参考にした。特に、『Eulitz Calculated Brilliant 1972』という比較的新しく算出されたものを用いている。

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案の定、LightWaveのレンダーに屈折率2.417の再現は荷が重すぎた(聞くところによると、宝石商の屈折率計でも測れないらしい)。白のライトを虹色に分解してくれるとはさすがに思えなかったので、念のため赤・青・緑のライトを配置してみたけど、可視光の波長によって屈折率が微妙に変わる現象はさすがに演算してくれなかった。ダイヤモンド特有の虹色の輝きは再現できず、真っ黒くろすけになってしまいました。

直上からの構図も試してみたけど、ほとんど真っ黒でもはや宝石かどうかすらわからないという……。

たまには「デザインが決まりきっていてターゲットが明確なモデリング」もやってみると刺激になる。

昔にもブリリアントカットには挑戦したことあるんだけど、「58面体」を「58角形」と勘違いしていて、まったく別物になっていたのに長らく気がつかなかったのは若気の至り。

LightWave用MMDモデルPMD形式ファイル・インポーター

最終更新:2016/09/06

MikuMikuDnace用モデルデータのPMD形式ファイルをLightWaveで読み込む方法。

まず、『Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ』(Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 Redistributable Package)が必要なので、マイクロソフトの次のページからダウンロードする。

パッケージの詳細についてはこちらを参照。

リストから「Microsoft Visual C++ 2005 Service Pack 1 再頒布可能パッケージ」を選択するとダウンロードページに移動するので、システムによってダウンロードするファイルを選ぶ。Windows XPやVistaなどの32ビットシステムの場合はx86ベース(vcredist_x86.EXE)、Windows 7や8のような64ビットシステムの場合はx64ベース(vcredist_x64.EXE)を選択する。両方ともダウンロードしても特に問題なかった。EXEファイルを実行するとパッケージが自己解凍してインストールされる。

LightWaveのプラグインを多数作成しているfault0d氏のウェブサイト『Poly to Poly』からAS PMD Helperをダウンロードする。私はLightWave10を使っているのでバージョン0.121を選択。アーカイブファイルにはx64用のプラグインも同梱されている。

zipファイルを解凍して、AS_PMD_Helper.pファイルをLightWave用のプラグインが格納されているフォルダにコピーする。バージョンによってフォルダ構成は異なるのでLightWave 2015でも同じかどうかはわからないけど、LightWave 10では次のフォルダ。

C:\Program Files\NewTek\LightWave_10\support\plugins

モデラーを起動し、「ユーティリティ」タブを選択して「プラグイン追加」をクリック。

AS_PMD_Helper.pファイルを指定するとPMDインポーター/エクスポーターといくつかのPMDファイル作成補助プラグインが追加される。

AS_PMD_Helperに同梱されているドキュメントに従ってモデラー設定ファイル(lwm*.cfg ※「*」はLightWaveのバージョンごとに異なる)を更新しておくとPMD形式ファイルをLWOオブジェクトと同列に扱ってくれるようになる。設定ファイルはシステムドライブ(普通はCドライブ)の「ユーザー(Users)」フォルダの各ユーザーフォルダ以下「.NewTek」フォルダ内にあるので注意。

公開されているPMDファイルをダウンロードして試してみた。今回はシナモソさん作成のボーイング767-200をベースにdiagraph01さんが改造したE-767(diagraph01さんのページ)。テクスチャの再現性などなかなか優秀。個人的にはこれで充分満足。

ただ、細かいことを言えば、可動部分など分割されているパーツは一旦ひとつのレイヤーにまとめられてしまって名前がついてるだけで空っぽのレイヤーが大量にできる。また、スケルゴン(ボーン)もロードされるけどあくまでもMMD用に作られたデータなので、インポートした直後はLightWaveでのアニメーションの実用には堪えない(座標や必要なボーンの目安にはなる)。

MMDは日本発のソフトウェアなのでボーンやウェイトマップの名称にかな・漢字を使っていることが多く、改名しないと文字化けしてしまってスケルゴン・エディタなどの一部の機能で使いづらい。もっとも、LightWaveで2バイト文字や3バイト文字を使うのは昔から御法度なので、どっちかと言うとLightWave側の問題なんだけど。(そのへんAdobeの製品はローカライズが完璧なのでビックリする)

PMD形式ファイルを他のソフトウェアで変換することなくLightWaveで直接ロードできるだけでもありがたいと思ったほうが良さそう。

思っていたよりも調整するところがなかったので、単純にLWO形式で保存した後レイアウトに移してレンダリングしてみたのが次の画像。

E-767

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GIMP2.8のメニューバーのフォントの戻し方

最終更新:2016/09/30

以前に、Inkscape 0.48.2以降のメニューがWindowsの設定値に従ってくれず、明朝体風のフォントになってしまうので、Inkscapeのメニューバーのフォントの戻し方という記事を書いた。

GIMP2.8.10より古いバージョン

最近、GIMPもバージョンアップして2.8になっていたので、アップデートしてみたところ、Inkscapeとまったく同じ問題が発生した。どうも、中国語のフォントが選択されているらしいんだけど、クロスプラットフォーム用のフリーライセンス・ライブラリを使用して開発しているソフトウェアではほぼ共通の問題があるらしい。

しかも、設定の変更の仕方が異なるという不親切さ(笑)。

次のgtkrcファイルをテキストエディタなどで開く。

C:\Program Files\GIMP 2\share\gimp\2.0\themes\Default\gtkrc
style "gimp-default-style"
{
  stock["gtk-dialog-error"] =
    {
      { "images/stock-error-64.png", *, *, "gtk-dialog" }
    }
(略)
}

上記の部分に、次のように1行追加する。

style "gimp-default-style"
{
  font_name = "Meiryo 9"
  stock["gtk-dialog-error"] =
    {
      { "images/stock-error-64.png", *, *, "gtk-dialog" }
    }
(略)
}

とりあえず、「gtk-2.0」というモジュールと「gtkrc」という設定ファイルが深く関与していることは両者に共通していたので、次にこういうことがあったらまずそこを疑えばいいということだね。

GIMP2.8.16/18

実際に試すことができたのがGIMP2.8.16とGIMP2.8.18だけだったのでこれら2つのブランチについてはほぼ確実だと思うけど、他のウェブサイトを見る限りでは、GIMP2.8.10以降であればおそらく以下の方法でメニューバーのフォントを変更できる。

最近のGIMP2.8ブランチでは変更方法が変わった。PCのユーザーごとに設定ファイルが独立したため、カスタマイズしやすくなった。次のパスにファイルが存在していれば、gtkrcファイルを開く。存在していない場合は、新規作成する。普通のテキスト・ファイルでいい。

C:\Users\[USER NAME]\.gimp-2.8\gtkrc

次の一節をgtkrcファイルの末尾に追加するか、新規作成したファイルの先頭に記述する。

style "gimp-default-style"
{
  font_name = "Meiryo 9" 
}

GIMP2.8がこのファイルを参照しているとする根拠は、次のパスにあるthemercというテーマ設定ファイルで上のgtkrcファイルをインクルードしているから。

C:\Users\[USER NAME]\.gimp-2.8\themerc

themercファイルには次のように記述されている。

# GIMP themerc
#
# This file is written on GIMP startup and on every theme change.
# It is NOT supposed to be edited manually. Edit your personal
# gtkrc file instead (C:\Users\Taku Oshino\.gimp-2.8\gtkrc).

include "C:\\Program Files\\GIMP 2\\share\\gimp\\2.0\\themes\\Default\\gtkrc"
include "C:\\Users\\[USER NAME]\\.gimp-2.8\\gtkrc"

# end of themerc

もし、インクルードしているファイルが異なる場合は、themercに記述されているパスをよく見て新規gtkrcファイルを作成する。

参考記事

Inkscapeのメニューバーのフォントの戻し方

最終更新:2016/09/06

だいぶ前に、Inkscapeをバージョン0.48.2にアップデートしたらメニューバーのフォントが突然明朝体風になってしまって気持ち悪かったんだけど、戻し方がわからなくて困ってた。コンフィギュレーション系のファイルを開いてみてもどこをいじればいいのかサッパリ。

手に負えそうにないので、ネットで調べてみた。要約すると次のようにコードを少し編集する。

次のgtkrcファイルをテキストエディタなどで開く。

C:\Program Files (x86)\Inkscape\etc\gtk-2.0\gtkrc

gtkrcファイルの末尾に次の2行を追加する。

# UI font
gtk-font-name = "sans 10"

次のpango.aliasesファイルをテキストエディタなどで開く。

C:\Program Files (x86)\Inkscape\etc\pango\pango.aliases

pango.aliasesファイルの「sans」行の「arial,」の直後に「meiryo,」を追加する。

tahoma = "tahoma,browallia new,mingliu,simhei,gulimche,ms gothic,kartika,latha,mangal,raavi"
<span style="background-color: lemonchiffon; padding: 3px;">sans = "arial,browallia new,mingliu,simhei,gulimche,ms gothic,kartika,latha,mangal,raavi"</span>
serif = "times new roman,angsana new,mingliu,simsun,gulimche,ms gothic,kartika,latha,mangal,raavi"
mono = "courier new,courier monothai,mingliu,simsun,gulimche,ms gothic,kartika,latha,mangal,raavi"
monospace = "courier new,courier monothai,mingliu,simsun,gulimche,ms gothic,kartika,latha,mangal,raavi"

これはクロスプラットフォームのソフトウェア開発の素人にはわからないね。世の中にはすごい人がいるものだね。感謝感謝。

いつの間にかバージョン0.48.4が安定版になっていたけど、せっかくメニューバーが直ったことだし、アップデートはまた今度にしよう。(0.48.4はGUIに座標や各種数値を入力できない不具合があるので、バグフィックスされるまでは0.48.1以下が無難。)

gtkrcに次のコードを直接書いてやってもいけそうな気もするけど、今は0.48.1に落として使っているので試してみてはいない。

gtk-font-name = "Meiryo 10"

参考記事

WordPressを自分のパソコンで動作させる for Windows

最終更新:2017/01/13

無料のブログサービスを卒業してWordPress公式ウェブサイト)を試してみたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、WordPressはPHPというプログラム言語(今風に言うとスクリプト系の言語)で開発されているので、普通はPHPをインタープリタ風にリアルタイムで解釈して実行してくれるサーバーを用意しなければなりません。また、データベース・ドリブンなので、データベース制御をしてくれるモジュールも必要です。
今までにも、Windowsでできなくはなかったのですが、Windows用のApache(又は IIS)、PHP、MySQLをインストールして適切に設定しなければならず、サーバー構築と同じくらい専門知識が必要でした。

サーバーをすでに用意してあって、サーバー提供サービスがあらかじめPHPやMySQLを使える環境を用意してくれていたとしても、テストのためにいちいちFTP転送してからブラウザで確認するのは少々面倒です。

そこで、専門知識がまったくなくても、FTP転送をしなくても、誰でも簡単にWordPressをローカルコンピュータで試せる方法を紹介します。
将来的にレンタルサーバーを借りようと思ってはいるけど、サーバーをうまく管理できなかったらどうしよう、WordPressが思ったより使いにくかったらどうしよう、と心配な人はどうぞお試しあれ。

  1. まず、マイクロソフト社の「Microsoft/web」サイトから「WebMatrix3」をダウンロードしてインストールします。今のところは無料です。
  2. 起動したら、「アプリギャラリー」を選択します。アプリケーション一覧が表示されたら、おそらく左上トップに表示されている「WordPress」を選択します。
  3. あとは画面の指示に従っていけば、WordPress本体をダウンロードしてインストールするとともに、自動的にPHPとMySQLをインストールしてデータベースを構築してくれます。
    データベース名、ユーザー名、初期パスワードなどをWebMatrixが決めてくれますが、記録しておかなくても使うことはないので気にしなくてよいです。気になる人は「コピーする」というリンクをクリックするとクリップボードに乗りますので、テキストエディタなどにペーストして保存してください。
  4. しばらくするとWebMatrixのホーム画面が起動して、自分がいつも使っている(標準に設定している)ブラウザへ自動的にWordPressがローカルホストのまま表示されます。
    基本設定入力画面になりますが、ローカルでテストしているだけなので、適当でいいです。後でも変更できます。最初は英語で面食らうかもしれませんが、難しくないので辞書を引いてでもなんとか入力してください。
    設定が終わるとログイン画面が出るので、自分で決めたユーザー名とパスワードでログインすると、WordPressの管理画面が表示されます。

wordpress_en

英語のままでいい人はこれで終わりですが、「WP Multibyte Patch」プラグインをアクティベートしておかないとマルチバイト文字(日本語の文字や記号はほとんどマルチバイト文字)の表示に支障が出ることがあります。

以下、日本語化手順です。

  1. いったん、WebMatrixの「ファイル」-「サイトを閉じる」で閉じてから、WordPress.org日本語版から日本語版をダウンロードして解凍します。この記事を書いている時点でのバージョンは3.5.1です。日本語用に若干チューニングされているようです。
  2. 先ほど作成したWordPressは、次のローカルフォルダに入っています。WebMatrixのホーム画面の「パス:」にも表示されていますので、参考にしてください。
    C:\User\(user name)\Documents\My Web Sites\WordPress

    このフォルダ以下にあるファイルを解凍した日本語版ファイルにすべて置き換えます。特に重要なのは「languages」フォルダです。ここに日本語化モジュールが入っています。

  3. 次に、WordPressフォルダ直下にあるwp-config.phpファイルをテキストエディタで開き、次の定義行を探します。“WPLANG”で検索すれば一発です。
    define ('WPLANG', '');

    これに、日本語(ja)を指定します。

    define ('WPLANG', 'ja');
  4. 再びWebMatrixから「ファイル」-「開く」-「サイトとしてのフォルダー」を選択し、「WordPress」を選択します。すると、定型文の部分は日本語化されています。

wordpress_ja

また、「ファイル」-「新規」-「アプリケーションギャラリーからサイト」でいくらでも追加できます。日本語版と英語版を別に作っておいて、ネットからダウンロードしたテンプレートの反映具合などを見ると便利かもしれません。

ちなみに、私は試しにウィキペディアなどで使われている「MediaWiki」をインストールしてみましたが、あっさり起動しました。こちらは多言語化テンプレートデータを最初から搭載しているので、個人設定(Preferences・プリファレンス)から「ja – 日本語」を選択して保存するだけで日本語になります(メインページは本文なので英語のままですが)。

mediawiki_ja

三角関数とブーリアン

最終更新:2020/04/22

さて、三角関数とブーリアンの話をしましょう。特にこの二者に直接の関係はないんですが、正確なモデリングをしようとすると、結構避けて通れないものなんです。

今回は完成したものを先に出しましょう。目標はこれです。これを見ただけでどうモデリングすればいいかひらめく人はこの記事を読む必要はないです。私の使っている方法が絶対正しいなんてことはないですから。

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まず最初に例によって「ディスク」ツールで六角形の板を切り出してやります。厚さは50ミリメートルにしてあります。半径はこの後のモデリングに影響するので、簡単のために1メートルにしてあります。

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六角形の板をコピー(Ctrl+C)でして別のレイヤーに移動して貼り付け(Ctrl+V)ます。Windowsユーザーにはおなじみの「コピー・アンド・ペースト」ですね。別レイヤーに移した六角形の板を正三角形に加工しなおします。方法はなんでもいいですんですが、多少面倒でも精度の良い方法を選択します。

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六角形の右下にある頂点をふたつとも選択して、モデラーウィンドウの下にある「情報」ボタンを押すか、キーボードの「I」を押します。上に示したような新しいダイアログが出てきたら、「全編集」ボタンを押します。X軸とZ軸の値を0に変更してダイアログを閉じます。

すると、次の画像のような形に変形するはずです。

bool003

次の画像で黄色い色で選択されている3つのポリゴンは必要ないので「Delete」キーを押して消してください。

bool004

同様に、不要な頂点を消します。

bool005

次に、三角形の板に形成するために頂点の統合を行います。「詳細」タブ、「ポイント」グループの「統合」ツール(Ctrl+W)を使用します。よく使う機能なので、この際ショートカットを覚えてしまいましょう。図ではスペースの都合で上からの絵しか示していませんが、板状なので上面と底面のふたつずつ頂点があることに気をつけてください。

bool006

無事に加工が終わると、次の画像のような形になっているはずです。ここで重要なのは、正三角形の頂点のひとつが原点に位置しているということです。原点を頂点に持っているということは、先に作成した正六角形の中心を得たのと同じということです。

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六角形の板を作ったレイヤーのボタンを「Shift」キーを押しながら選択すると、同時表示されて次のような感じで表示されます。三角形の板の上面と底面を「移動」ツールで500ミリメートルずつ上下に移動させてあります。ついでにわかりやすくするために赤く色をつけておきました。

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さて、準備はここまでで、ここからが本番です。要するに、赤い三角柱で六角形の板に穴をあけたいわけですが、今のままでブーリアンをやっても、穴ではなく、三角の切り欠きのあるいびつな七角形の板ができるだけです。

そこで、穴になるべく用意した赤い三角柱を縮小します。縮小の中心位置をマウスで指定してもいいんですが、正確な位置に穴をあけることは困難でしょう。アクションの中心に「選択範囲」モードを指定しても単純に最大幅の半分になるだけで、正三角形のそれぞれの頂点からの距離が等しい中心点を得ることはできません。

ここで登場するのが皆さんの嫌いな三角関数です。中心位置を次の図のように求めます。

六角形の半径を最初に1メートルに指定しましたから、中心位置のX成分は500ミリメートルで自明です。

正三角形の頂点から底辺に向かって垂線を引いた場合、\angle Aは、正三角形の頂点の角度をちょうど二等分するので、30度です。\angle xyは90度なので、\angle Bは60度です。



X成分が自明なので、Y成分は次の式で求めます。

     \begin{align*} y=500\times\tan 30^{\circ}=288.67513459481288225457439025098\dots\textrm{ [mm]} \end{align*}

これを「拡大縮小」ツールの「中心」に入力します。

倍率はお好みで。とりあえず85%にしてあります。上の図ではついうっかり「y」にしてしまいましたが、入力先は「中心Z」ですのでお間違いのないよう。

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こんな感じに縮小されたらバッチリです。

bool010

そうしたら、今度は「複製」ツールを使って、穴になる三角柱を一度に作成します。「複製数」を5に設定して、ヘディング「H」を60度に設定します。あとは変更しなくていいです。

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「OK」ボタンを押して複製した結果が次の画像のようになっていれば成功です。

bool012

なんでわざわざ面倒くさい計算をしてまで中心位置を小数点以下数桁にわたって求めたか。ひとえにこの「原点を中心に回転させながら複製する」をやりたかったからなのです。一見面倒そうでも、このほうが結果的にミスが少なく、戻り作業が発生しにくく、正確かつ楽なのです。

6つある赤い三角柱のうち、左の4つを選択して、さらに「複製」します。今度は「複製数」を2にして、「オフセット X」を-1メートルに設定します。ヘディング「H」は0度に戻しておいてください。

最初の正六角形の半径を入力するだけで穴が正確に複製されていくなんて、なんて素晴らしいんでしょう!

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次に、六角形の板のほうの左方3つの頂点を上面、底面ともに選択して、-2メートル「移動」させます。

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次の画像のようになっていれば完璧です。

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そして、いよいよブーリアンです。六角形の板のあるレイヤーをアクティブにして、赤い三角柱群のあるレイヤーの下半分をクリックします。イメージがわかない人は次の画像の右上を見てください。こんな感じです。

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「構造」タブの「複合」グループにある「ブーリアン」を選択します。
「減算」ボタンをクリックして「OK」を押します。すると…

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このようになります。成功です。OpenGLの表示崩れも起きていないようですね。もし、表示崩れが起きていたら「三角分割」を試してみましょう。

お気づきかと思いますが、穴を開けられた場所の面は、赤い三角柱の色になっています。これをうまく利用すれば、細かいポリゴン選択をせずとも複合的な配色が可能になります。

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以上です。細かいことを言うとまだありますけど、とにかく実用上はこれで十分なはずです。
ブーリアンの真骨頂の一部と三角関数の重要さを垣間見てもらえたのなら幸いです。

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六角柱の面取り

最終更新:2020/04/22

「そもそも〝面取り〟って何?」という人のために一応書いておくと、金属加工や木工などで装飾や安全性の確保のために角を削ることを言います。機械製図をやったことがある人や機械工学を勉強したことがある人なら一回ならずとも聞いたことがあるはずの言葉です。

架空のメカをデザインするにあたって面取りをする理由は、

面取りした角の部分が絶妙に反射してかっちょいいからです。

それ以上の理由はありません。面取りの厚さも結構適当です。

で、直方体や立方体の面取りが一番簡単なんですが、「べべル」ツール一発で終わりなので面白くないです。ここは、マウスでやるのはちょっと大変そうな六角柱の面取りに挑戦してみましょう。
なんで六角形なのかと言うと、

最近のメカの流行りだからです(ドヤ顔)。

面取りをすると、面の数が普通は倍になります。なので、「ディスク」ツールで次のように正12角柱を作ります。

hexprism000

細かい値はとにかく簡単なほうがいいです。深く悩む必要もまったくないです。大きさなんてあとでなんとでもなります。Y軸方向に作りましたけど、別にX軸でもZ軸でもいいです。

hexprism001

こんな形の正12角柱ができます。

ところで、正12角形の一辺あたりの中心角って何度でしょう?

     \begin{align*} 360 \div 12 = 30 \ \textrm{[deg]} \end{align*}

ですね。自動生成されたままだと頂点が軸方向に生成されてしまって加工しにくいので、「回転」ツールで30度の半分の15度回します。なんで15度かというと、 面取りしたい面を作業者から見て水平にしたいためなんですね。なんでも水平・垂直にしてしまったほうが作業が楽なのは言うまでもないですね。

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次に、水平になってくれちゃった面を選択して「ストレッチ」を適用します。水平になっている面というのはひとつとは限りません。六角柱の場合はふたつありますので、一緒に選択してやります。同じ作業をわざわざ6回繰り返すなんて馬鹿馬鹿しいので、3回で済ませる方法を考えましょう。
面取りをする幅にもよりけりなんですが、ここでは15%にしてみました。今回の作例ではY軸方向で垂直倍率を50%以下くらいにしてやると綺麗に面取りできます。「せっかく面を水平にしたのになんで垂直ストレッチするの?」とは聞かないでください。そういうもんだと思ってください。私もいまひとつ理解できてません。

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現状、こんな感じになってます。わかりやすいように加工した面を選択状態にしてありますが、これを解除して、再び15度ずつ回します。「適用」ボタンをクリックして何度か回し続けていると、再び水平になってくれる面が現れてくれます。そこで水平になってくれている面(この場合はふたつ)を選択して、再び同じ設定で「ストレッチ」です。

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これをあともう一回繰り返すとあら不思議。大まかには六角柱風なのに、綺麗に面取りされててちょっとメカっぽくなってるんじゃなぁ~い?
次の画像は一連の作業が終わった面取り済み六角柱。ただの六角柱よりは「メカっぽく」見えると思うんだけど、どうでしょ?

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で、最期にオマケに「ベベル」を2回かまして、フタらしきものをつけてみました。ミサイルのランチャー風な何かに使えそうなイメージで。

hexprism006

一見簡単そうに見える作業も、直方体や立方体でもない限り、マウスだけで目分量でモデリングするのはちょっと難しいかも、というのが少しでも伝わったのなら幸いです。
この方法は何角形の多角形柱にも応用できるのが最大の利点です(回転させる都合上360度の約数にあたる多角形がいいかも)。「立方体なんてつまんない」と最初は飛ばしてしまいましたが、立方体もこの方法を使ったほうが綺麗に面取りできることもあります。
この方法で造った多角形柱の各頂点の座標は当然のように浮動小数点数のやたらに細かい数になっています。あとで加工するにしても、マウスで浮動小数点数を扱いきるのはなかなか大変ですよ。

もちろん、「そんな単純な形のモデルなんか、大雑把でいいんだよ」という主張は否定しません。メカをどんな風に造るのかは個人の自由です。多少歪んでたってレンダリングした結果を見た大半の人は気付きません。架空のメカならなおさらです。誰もそれを「正しい/間違ってる」なんて言えませんから。それで誰もが認める「かっこいいメカ」を造れる自信があるというのなら誰にも止められはしないので。

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ロートドームを造る

最終更新:2020/04/22

アクセス解析を見ていると、Googleなんかで結構「LightWave」で検索して飛んでくる人が結構いるみたい。たぶん、ShadeやメタセコイアやMayaなんかと比較して、どの3DCGツールが一番自分に適しているかを模索している人がいるみたい。

なので、実験的にLightWaveでのモデリングの実例を示してみようと思います。操作性の参考になれば幸いですが、基本的に『架空のメカ限定』なので、3DCGツールで実在の戦闘機や戦車を精密にモデリングしたい人、マンガ風リアル風問わず美少女をモデリングしたい人はアテにしないでください。

まず、おおまかに完成形をイメージします。人によってはデザイン・ラフを二次元の紙などに描いてから作業にかかる人もいますが、失敗が少ない代わりに時間がかかるのが欠点です。

イメージだけでモデリングを始めるのは時間が短くて済むのが長所ですが、思ったとおりにならない、つまり失敗する可能性も上がります。ですが、基本的にデザインとモデリングを同じ人がやるのであれば、

三次元のデザイン能力が二次元のデザイン能力を超えることはまずない。

ということです。

なので、ラフは描きません。経験則ですが、三次元デザイン能力が二次元デザイン能力を上回るのは、すでにプロの手によって精密なデザイン画を起こされているものを三次元化した場合に限られます。つまり、「二次創作」でしか成り立ちませんよ、ということです。

今回はドラグーンの早期警戒機装備に使うロートドームをモデリングします。E-3やE-767に装備されている実在のロートドームも直径9メートル、高さ1.8メートルくらいあるので、ひとまずそのくらいにします。

最初に「ディスク」ツールを使います。

サイドのデフォルトは24ですが、装備で一番目立つ部分なので見るからに「カクカク」なのは避けたいのと、後々のモデリングのことを考えて倍の「48」くらいにしておきます。多すぎるとモデリングが少々面倒になりますが、「ループ選択」ツールなどを使えば大した問題にはなりません。ポイントを一個ずつ選択してたらダメですよ。三次元では手を抜いても品質に影響のないところをいかに省力化するかが結構重大です。

後で円盤状にするので、分割数を「10」にしておきます。上下対称にするので偶数が好ましいでしょう。

中心点の位置は別にどこでもいいのですが、後のモデリングの際に誤って中心座標を書きつぶしてしまった場合のことも考えてXYZの3軸とも0に設定しておくのが無難です。LightWaveは座標がメートル単位で浮動小数点数なので、3軸分はちょっと覚えてられません。

「ストレッチ」や「拡大縮小」や「回転」の際にもいちいち中心座標を指定しなくてよくなるのである程度形が出来上がるまでは原点でモデリングするのをオススメします。

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こんな形の円柱ができます。

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この円柱に「ベベル」や「ストレッチ」ツールを使っておおまかに形を作っていきます。細かい数値は示しません。この辺は純粋に個人の好みの問題です。

このとき、ポイント選択モードで水平に連なっているポイントを上下対称に選択して上下同時に加工していくと楽ですし、綺麗な上下対称のロードドームが作れます。

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こんな形になりました。中央付近の灰色の部分が「ベベル」ツールを3回適用して作った窪みです。二次装甲の下にある一次装甲を表現するために作りました。

もっと外縁に寄っているつもりだったのですが、かなり中央寄りにできてしまったので、再度「ベベル」を繰り返して一次装甲が露出している部分を外側に繰り出します。

「ラフを描いてればこんなことにならなかったのでは?」と聞こえてきそうですが、「ベベル」機能は複数のポリゴンに適応するとポリゴン同士の境界(エッジ)にも厚さがゼロの背中合わせのポリゴンを生成してしまうので、後で消すのが面倒です。細かい部分だと無駄に神経すり減らす羽目になります。「ベベル」を使うなら、細分割されていない平らなポリゴン、この場合は最初のディスクの上底面を選ぶべきです。

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「ベベル」を二回ほど繰り返して全体の形を整えました。灰色の部分を外側に繰り出すために青色の部分を圧縮してしまったのでメッシュがかなり密になってしまいました。ディスクの分割数はもっと少なくても良かったかも。当初の予定より分厚い円盤状になってしまいましたが、まだ手直しがきくレベルですので気にしません。なんと、この状態で960ポリゴンもあります。まぁ、最近のPCは性能がいいので気にしない気にしない。可能なら「バンドグル」で統合してポリゴンを減らしてしまえばいいことです。

全体のバランスを見るためにとりあえず着色してあります。

なんとなく形はできたので、今度はSFっぽい装飾を追加していきます。

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別のレイヤーに新しく正12角形のディスクを作り、それを「ストレッチ」ツールや「回転」ツールなどを使って加工したものを一旦別のレイヤーに移します。デザインがハマらなかった時のバックアップです。レドームの位置と比較しながら位置を調整した後、「複製」ツールで120度ごとに回転させて3箇所に配置しました。

内側に押し込まれているような部分はポイント選択で該当箇所を選んで「移動」ツールで強引に内側に押し込みました。すると、ポリゴンの形に無理が出てくるので、「三角分割」で適度にポリゴンを分割して三次元的な無理を解消してあります。「三角分割」は、モデルが完成するまではOpenGLの表示がおかしくなった時だけにするなど、ほどほどにしておいたほうがいいです。

とりあえず、大雑把には完成です。せっかく広い面があるので後でテクスチャも貼ることにしましょう。
これをドラグーンに乗っけてみたらどう見えるかを見ながら調整していきます。

大体、いつもこんな感じの流れです。

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というわけで、ロートドーム完成。ポリゴンがどうなってるのか見えるようにワイヤーフレームを表示してみました。

え? 3分間クッキングじゃあるまいし、一瞬で出来たかのように完成品を取り出して「『出来上がったのがコレです』と言われても、その間の工程を知りたいんだけど…」って?

ごもっともなんですが、実在のメカを作ってるわけではないので「理想像/お手本」がなく、モデリングの手順も私個人の好みの問題が大半で、一手順ごとに細かく説明してられないんですよねぇ。ご勘弁を。

Inkscape(インクスケープ)」というフリーライセンスのベクター画像編集ツールを使って次のようなテクスチャを作成して貼り付けてみました(Inkscapeは、ベクター画像をSVG形式で管理します。SVGはXML形式で、要するにテキストなのでファイルはかなり小さい)。Inkscapeのインターフェースはちょっとクセがありますが、Adobe Illustratorを使ったことがある人ならすぐ慣れると思います。特にテキスト・ツールは秀逸です。古いバージョンのPhotoshopやIllustratorに引けを取りません。

機能に多少の不満はあっても、なんと言っても最大の利点はタダだということです。最近、整列ツールが大幅に改善されて俄然作画がしやすくなりました。

テクスチャ・マップの画像形式はInkscapeのビットマップ・エキスポート機能を使ってPNG(Portable Network Graphics)形式で吐き出します。PNGの利点はフルカラー(24ビット)に対応していることと、アルファ・チャンネルが8ビットあるので、透過GIFと同じように透過設定ができることです。なので、地のサーフェースカラーに影響を受けないで済むのです。

LightWaveはテクスチャ・マップとして透過PNGを受け付けてくれます。レイアウトやモデラーのプレビューで使われているOpenGLも多少処理は落ちますが、表示オプションで「GLSLShaders」を選択しておけば、透過マッピングに対応できます。

JPEGでもいいんですけど、サーフェースカラーを変えたくなった時にいちいちテクスチャ画像もいじらないといけないので面倒くさいんです。とりあえず透過PNGにしておけば、レンダリングしてしまえば透過色は消えてなくなってしまいますので作業効率にはまったく影響を与えません。

PNGは不可逆圧縮のJPEGとは対照的に可逆圧縮なので画質がまったく劣化しないという特徴があります。その代わりにファイル・サイズが大きくなるという欠点がありますが、細い線や小さい点描などのテクスチャの場合はJPEGだと圧縮の際に消えたりボケてしまったりすることがあり、目的に適わないことがあります。

また、HDDの容量をキロバイト単位で節約しなくちゃいけないほどHDDに困っている人は今はほとんどいないと思います。特に三次元にせよ、二次元にせよ、PCで絵を描こうと考えてる人でHDD容量が不便な人はまずいないと思いますし。

もちろん、アルファ・チャンネルを別に用意するという手もありますけど、技術的にはかえって高度ですし、透過PNGを使う単純さには敵わないと思われます。

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テクスチャの貼り方にこれが正しいという方法はありませんが、本作例の場合はY軸方向に「平面状」で貼り付けて「自動サイズ合わせ」でおおまかに位置を合わせてから画像の縦横比に合わせてX軸とZ軸を調整します。本作例では繰り返し表示する必要はないので、タイル(Tile)の指定はWidth・Heightともに「Reset」に設定しておきます。

この時に電卓(Windows標準の関数電卓でOK)を使ってテクスチャ画像1ピクセルに対してテクスチャを貼る面の単位長さを求めて縦横の長さを算出しなければならないので、初心者にとってテクスチャ・マッピングを使うことの敷居が高いと思われている原因のひとつになってます。

OpenGLでプレビュー表示を見ながら直感的に設定できるようになったので、これでも想像と数値と計算の世界で貼り付けてレンダリング一発勝負だった昔よりは遙かに簡単になったんです。

余計なお節介かもしれませんが、数学が嫌いな人に3DCGは向いてないです。特に三角関数。いや、ほんとです。紙に多角形描いてみて角度や半径からXY成分の距離を求めたりとか高校の数学Ⅰの試験問題みたいなことを普通にやらないと正確にモデリングできないんです。場合によってはかなり中途半端な角度の正弦・余弦・正接を求めないといけないこともあるし、LightWaveの座標系は浮動小数点数で、「\sqrt{3}」とかでは誤魔化せないので、電卓がないとまず計算できないんです。マウス(タブレット)だけでできると思ってる人はちょっと甘いかもしれません。

前回の記事でつけた六角形の装飾にクレーター状の穴があいてます。

別レイヤーに保存しておいた六角形装飾のモデルの大きさに合わせて「囲い面」で穴の内周を作成して別レイヤーに置いておきます。穴の断面のさらに半分にカットしたような形にしておくのがミソです。次に「回転体」ツールを使って穴の内面を作成します。

その後、六角形装飾をアクティブレイヤーに指定して、穴の内面を作成しておいたレイヤーをバックグラウンド・レイヤーに指定して「ブーリアン」ツールの「減算」モードを選択します。これで穴が作れます。

今回はたまたま何事もなかったのですが、ブーリアンをやると穴を穿った面のポリゴン構造がややこしいことになってしまいます。今回の場合、六角形装飾の表面は12角形で、穴のサイドは24なので、切れ込みが入ったみたいな、超変形36角形ということになっています。

たまに内部の数値上は穴そのものはちゃんと開いていても、OpenGLやLightWaveのレンダーが処理しきれなくて穴が綺麗に表示されないことがあります。

そういう場合は慌てず騒がず「三角分割」を試してみます。自動的に綺麗に修正してくれるはずです。よっぽど複雑な場合でない限りこれで対処できます。(12角形に24面の穴を61個開けた時も大丈夫でした。演算時間長くてフリーズしたのかと思いましたけど)

「三角分割」をした後はポリゴンの選択や編集が面倒になるので、完成間近になってこれ以上編集しないという局面になってから穴を穿ったほうがいいかもしれません。

EIZO NANAO FlexScan EV2436W-FS

最終更新:2019/05/10

いつか買おう、いつか買おう、と思っていてのびのびになっていた新モニタを購入した。今使ってるモニタ(MITSUBISHI RDT1711V)の電源部の接触が悪くなっていて、いつ壊れても不思議ではない感じだったので、買い時は近いな、と。液晶パネルよりも先に電源部の寿命が来てしまうのはもはや宿命か。ハンダ付けはいずれ劣化するからねー。ちゃんと故障診断すれば一箇所か二箇所ハンダ付けし直せば済む話なんだろうけど、修理にかかるコストを考えると新調しちゃったほうが安上がりなのが情報化社会の常。

やっぱり、昔から憧れていたEIZOにしようとEV2436W-FSという型に目をつけた。EV2336W-FSという23インチモデルもあったんだけど、16:9(1920×1080)って作業領域としては縦幅が狭いような気がしたので16:10(1920×1200)の24インチにした。たった1インチの差で1万円高くなるのが果たしてお得だったかそうでもなかったかは追々わかっていくでしょう。店員の話では一度1920×1200に慣れてしまうと、簡単には1920×1080に戻れなくなると言ってはいた。

さすがにモニタはネット通販でポチッというわけにはいかないので現物を見に最寄りのビックカメラとヨドバシカメラに行ってみたけど展示品はエコノミーモデルが多くて現物はなかった。それならば、と新宿のヨドバシカメラ本店に行ってみたら展示品はあった。

サンプル画像はあくまでもサンプルなので他社製品と比べて特別画質がいいと感じたわけでもないけど、何か作品を作りたくて単に「映ればいい」という要求を超えているならEIZO一択と店員も強く奨めていた。実使用環境と異なるので想像で補うしかないんだけど、視野角が広いのはさすがEIZOと思った。チルトで表示部が足に当たるまで下げられて見上げるような視線にならず、17インチの4:3モニタと並べてもそんなに高さの差が出そうになかったのも他社製品と比較しての決定打になった。

でも、在庫を確認してもらったら黒がなかった。再入荷に1週間かかるというので、そこまで待つ必要はないな、と結局在庫が豊富なネット通販でポチることになった。最近はネット通販のほうが価格が安いので現物を見られる実店舗が「ショールーム化している」と家電量販店は嘆いていると聞くけど、すぐに渡せる在庫がないんじゃどうにもならんよね。「あ、この客はネット通販に流れるな…」という雰囲気が私と店員の間に流れたけど、ネット通販のほうが安いから実店舗では在庫があっても買わない、というわけでもないので止むを得まい。もうちょっとがんばれ。

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今日の何時に配達されるのかよくわからなかったんだけど、昼までゆっくり休んでたらいつの間にか配達員が来てたみたいで宅配ボックスに入ってた。大型の宅配ボックスがあいててよかった。夢現のときにチャイムが鳴ったような気がしたのは勘違いではなかったみたい。

持ってみると思ったよりは軽い。液晶モニタだから当然といえば当然かー。

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箱に貼ってある型式番号を確認。通販サイトには「EV2436W」としか書いてなかったので、「FS」タイプかどうかを特に確認。前に表示部が縦にならない「PS」タイプというのがあったみたいなので、一応念の為。別に90度縦に回る機能はどうでもよかったんだけど、一番わかりやすい違いはそこなので。

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机の上にあった書籍をどかして置いてみた。

おお。ついにデュアルモニタ環境を手に入れたぞ!思ったよりも奥行が深くて机はだいぶ狭くなった。表示面がかなり顔に近づいた感じがするので圧迫感はある。机の置く場所を少し手前にすれば改善しそうなので、後で試してみる。

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さっそくPCに接続して起動してみた。

PCを購入した時に、いずれはデュアルモニタに、と思ってグラフィックスボードをGeForce GTS250にしておいたのでDVIコネクタがデュアルで標準搭載されていてマザーボードに搭載されているDVIを含めるとDVIコネクタは3つあることになる。

おおお。色が深い。白がまぶしい。今までのモニタはなんだったの、と思うくらい鮮明な画像に大興奮。EIZOというと液晶パネルの周りの灰色の縁の部分がかなり広い印象があったんだけど、高級モデル以外ではかなり改善していて隣りのモニタとの間を視線を行き来させても気にならないくらい薄くなっているのもいいね。

まったく不満はないので、しばらくお世話になることになりそう。