旧メインPCのリフレッシュ後の性能

最終更新:2020/08/01

リフレッシュしたPCの性能を計測した。性能に関する記述がふたつの記事に分かれてしまったので、ひとつの記事にまとめなおした。

LightWave 2015

例によってLightWave2015でレンダリング時間を計測した。無限五の冷却性能に期待して、長期間電力制限を200Wに設定してコアクロックが4.6GHzで張り付くように設定してみたところ、サーマル・スロットリングも発生することなく、70℃台で完走した。

ハイパー・スレッディングはないものの、物理8コアの性能をいかんなく発揮していて、旧PCでは11分25秒かかっていたものが2分28秒で終わった。なんと、i9-9900Kを搭載したマウスのBTOパソコンの2分12秒にあと16秒まで迫る性能を示した。

LightWave 2015
CPU 総レンダリング時間 ラジオシティ時間 パフォーマンス 備考
Core i7-860 685.2秒(11分25秒) 91.2秒(1分31秒) 1.00倍 DDR3-1333
Core i9-9900K 132.4秒(2分12秒) 21.7秒 5.17倍 DDR4-2666
Core i7-9700K 148.9秒(2分28秒) 21.9秒 4.60倍 DDR4-3600

i9-9900Kは定格95Wで計測したもので、コアクロックは4.2GHzまでしか上がらなかった。マウスのBTOパソコンはCPUクーラーが非力で、コアクロックが4.7GHzになるように設定するとあっという間に90℃を超えてしまい、サーマル・スロットリングが働いてしまうので本来の性能を発揮できていないことが予想される。

BTOパソコンはパーツ交換を前提としていないので、CPUクーラーひとつ交換するにもマザーボードを取り外さなければならなかったり、分解するのは少々面倒だけど、CPUクーラーを風魔弐あたりに換装しようと心に誓った。

3DMark

もはや説明の必要もない3DMarkによるベンチマークのスコア。5954というネットに出回っている6000強というスコアより若干低い結果が出たけど、おそらく画面の解像度が1920×1200だったからか、ELSA製品は速度重視のオーバークロックではないからだと思われる。

PCでゲームはしないので、ベンチの結果は本当に参考程度。3DMarkは色々なベンチを計測できるけど、GeForce GTX 1660 Tiそのものが最新製品というわけでもないのであれこれとベンチを試して他製品と比較したりはしない。

仮想暗号通貨マイニング

3DCGをふんだんに使ったゲームを快適に遊べるかという尺度ではなく、ひたすら単調な計算を繰り返す単純な演算能力(いわゆるGPGPUの能力)を測るのであれば、仮想暗号通貨のマイニングをさせてみると3DMarkとは違った意味でシビアな結果を得られる。ここではイーサリウムで例示している。

MSI Afterburnerを使ってVRAMのメモリ・クロックを+750MHz(DDRなのでクロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送できるため、データレートは+1.5GHz)ほどオーバークロックし、13GHzにしたうえで消費電力を70%まで絞り、84W(定格120W)くらいでおおよそ28.5MH/sという速度を得られる。

これは1秒間にどのくらいのデータの塊を処理してハッシュ値を算出できるかの効率を示し、ハッシュレートと呼ばれる。「MH」は「メガハッシュ」と読み、暗号化や復号化の計算量のこと。データの塊の具体的な容量はアルゴリズムによって異なるため暗号通貨が異なると同じGPUでもハッシュレートの値は異なるし、同じ通貨でも演算の難易度は変動する。

Quadro P2000はオーバークロックできないので、75Wで15MH/sくらい。それと比較すれば、そこそこ速く、ワット・パフォーマンスも良い。

GeForce GTX1080が同様の設定をして126W(定格180W)くらいで36MH/sほどなので、GPUの数をいとわないマイニング・リグを組むならGTX 1660 Tiのほうがワット・パフォーマンスは良く、効率的に採掘できる。

ただし、日本国内では電気料金が安くなく、ワット・パフォーマンスの良いGPUを選んだとしても2020年現在ではマイニングをすればするほど赤字になるので、ベンチマーク程度に試すくらいにしたほうがいいと思う。

金銭が絡むと厄介事も多く、「あなたも簡単にマイニングできますよ」という甘い言葉で誘惑しておき、実際には演算能力の大半を盗み出し、自分は電気料金や器材に投資することなく仮想通貨だけを詐取するトロイの木馬が組み込まれたマイニング・ソフトウェアをインストールさせる悪質なユーザーもいるので注意が必要だ。

通貨というそれ自体に価値のあるものではなく、自分にも回り回って利益があるものとしては、治療法の確立していない病原体(ウィルス、細菌等)の遺伝子情報から薬剤の効果を分散コンピューティングでシミュレーションして新薬を開発することを目指したプロジェクトのほうが長い目で見ると有益だろう。

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