MediaWikiでショートURLを使う

最終更新:2016/09/06

MediaWikiを運用するようになってからかなり経つけど、記事のURLは初期設定のままで、

http://vanguardflight.xii.jp/w/index.php?title=Page_title

といったように表示されていた。編集するユーザーも管理者も一人しかいない無名のマイナーウィキだから、それでも別に困ってなくて先延ばしになってたんだけど、どうせならウィキペディア日本語版のようなショートURLにしたい。

例によって、MediaWiki公式サイトの説明はわかりにくい。大抵のWebサーバーで使われているApacheを実装していて、mod_rewriteというモジュールを利用可能であれば、MediaWikiが動いているほとんどすべてのサーバーでショートURLを利用できると書いてある。

一方で、rootの権限がどうのこうのと書いてあるので、ローカルホストにアクセスする権限がないと無理なのかと思って真面目に調べてなかった。ところが、よく読むとリモートサーバーでも利用可能と書いてあるし、更には、「そのくらいのことができないようなリモートサーバーにお金を払う価値はない」とまで書いてあってかなり強気。

さくらインターネット公式サポートサイトによると、Apacheを実装しているし、mod_rewriteも利用可能と書いてある。mod_rewriteそのものの設定を変更するにはサーバー管理者の権限がないといけないんだけど、共有サーバーを使っているユーザー側でも.htaccessで設定できる。

.htaccess

.htaccessを配置すべき場所は、MediaWikiのディレクトリが存在しているディレクトリ。つまり、home/[user-name]/www/wというディレクトリにMediaWikiをインストールしているとしたら、home/[user-name]/wwwに.htaccessを置けばいい。

.htaccessに記述すべき内容はわずか2行。

RewriteEngine On
RewriteRule ^/?wiki(/.*)?$ %{DOCUMENT_ROOT}/w/index.php [L]

1行目のRewriteEngine Onは、mod_rewriteを有効にする設定。

2行目は、URLをどのようにリライトするかというルール。正規表現で記述されているのでちょっとわかりにくい。簡単に言うと、http://example.domain.com/wiki/Page_titleというURLを受け取ったら、それを内部的にはhttp://example.domain.com/w/index.php?title=Page_titleに置き換えながら、ブラウザのアドレスバーにはhttp://example.domain.com/wiki/Page_titleが表示され続けるということ。

最後の[L]は「ここで.htaccessは終わり」という意味。

LocalSettings.php

$wgScriptPath = "/w";
$wgArticlePath = "/wiki/$1";
$wgScriptExtension = ".php";

初期設定では$wgScriptPath$wgScriptExtensionしかないんだけど、その間に$wgArticlePathという環境変数を追加する。

補足

なお、独自ドメインを使用している場合でもショートURLを利用できる。独自ドメインが/wwwディレクトリの更に下の階層に設定してあって、例えばhome/[user-name]/www/directory/wにMediaWikiをインストールしてあっても問題ない。

また、独自ドメインの直下(上の例で言うと、home/[user-name]/www/directory)にindex.htmlindex.phpで始まるような普通のウェブサイトを配置していて、そこに上記の.htaccessを設置してもそのウェブサイトは何の問題もなく表示される。同様に、独自ドメインに/wpといったディレクトリを作って本記事のブログのようなWordPressを設置してMediaWikiと並列で運用していても問題ない。

唯一ダメなのは、/wikiというディレクトリが実際に存在している場合。MediaWiki公式サイトのインストール・ガイドにも「wikiというディレクトリ名だけはやめたほうがいい」と書いてある。もし、そこにMediaWikiをインストールしてしまった場合でショートURLを使いたい場合は別のディレクトリに移動させないとならない。

参考記事

MediaWikiをアップグレードしたら画像が表示されなくなった問題

最終更新:2016/09/06

今までMediaWiki 1.24を使っていたんだけど、ふと何気なく自分のウィキを見てみたら、ウィキメディア・コモンズから呼び出している画像が表示されなくなっていた。MediaWikiの公式サイトを調べてみたら、InstantCommonsという機能に変更があって、HTTPS接続じゃないとコモンズから画像を引っ張ってこれなくなったそうだ。比較的最近のバージョンじゃないとダメみたいなので、最初は何の気なしに気軽にアップグレードを始めてみた。

この記事を書いている時点の最新版はMediaWiki 1.26.2だったので、いつものようにアップグレードをしてみたんだけど、今度はコモンズの画像だけじゃなくて、ローカルに保存されているはずの画像も呼び出せなくなってしまった。画像をクリックして直接表示させようとしても、Internal Server Errorが出てしまって表示できない。

Internal Server Error
The server encountered an internal error or misconfiguration and was unable to complete your request.
Please contact the server administrator, support@sakura.ad.jp and inform them of the time the error occurred, and anything you might have done that may have caused the error.
More information about this error may be available in the server error log.

慌ててしまった私は、1.24に戻すことを考えたんだけど、これがまた非常に面倒で、MediaWikiのソフトウェアはともかく、データベースを復元できない。最新版ではデータベース内のテーブルから削除されてしまったフィールドもあったりして、さくらのレンタルサーバーの管理ツール(phpMyAdmin)を使ってもバックアップ・ファイルからインポートされている気配もない。

そもそもXML形式でバックアップしていたのがいけなかった。XML形式でのデータベースの復元は最新のMySQL 5.6でようやく実装されたものらしく、MySQL 5.5を指定している私のデータベースではそもそも無理という結論になった。一晩かかってもデータベースを復元できなかったので、その方向は諦めた。

そこで、ひとまず1.26にアップグレードはして、画像が出ない状態に戻した。そのうえで調べてみると、どうもMediaWikiのバグ・フィクスの影響で、MediaWikiの画像を保存しておく/imagesディレクトリの.htaccessに問題があるらしいことがわかった。さくらのレンタルサーバー非公式FAQによると、Optionsが使えない設定になっているそうだ。

MediaWiki 1.26.2 の .htaccess

# Protect against bug 28235
<IfModule rewrite_module>
	RewriteEngine On
	RewriteCond %{QUERY_STRING} \.[^\\/:*?\x22<>|%]+(#|\?|$) [nocase]
	RewriteRule . - [forbidden]
	# Fix for bug T64289
	Options +FollowSymLinks
</IfModule>

MediaWiki 1.24.2 の .htaccess

# Protect against bug 28235
<IfModule rewrite_module>
	RewriteEngine On
	RewriteCond %{QUERY_STRING} \.[^\\/:*?\x22<>|%]+(#|\?|$) [nocase]
	RewriteRule . - [forbidden]
</IfModule>

Options +FollowSymLinksという部分を#でコメントアウトして、/imagesディレクトリに保存する。

自分のウィキをリフレッシュしてリロード(Ctrl+F5)してみたら、無事に画像が表示された。ウィキメディア・コモンズの画像も表示されるようになっていた。おそらく、内部的にはローカルの画像を探す振りをしながらウィキメディア・コモンズにアクセスしにいっていて、ローカルの設定に影響を受けてしまってるのではないかと推測。

これ以降、アップグレードする度に同じ問題が起こることが考えられるので、備忘録を残しておくことにした。とにかく、MediaWikiをアップグレードして何か問題が起こっても、ダウングレードは最終手段と考え、慌てず騒がず同じ問題に行き当たった人が書いた記事がないか探してみるべきだと痛感した。

関連記事

参考記事

MediaWikiのアップグレード手順

最終更新:2016/09/06

いつの間にか、MediaWikiが1.23にアップデートされていた。1.22でもとりあえず困ってはいないんだけど、セキュリティの問題もあるし、いざという時にメンテナンスできないと困るので、練習のつもりでアップグレードに挑戦してみることにした。

MediaWikiの公式サイトにもアップグレード・マニュアルはあるんだけど、あらゆるバージョンや環境のことを網羅しようとした書き方になっているので、わかりやすいとは言えない。

さくらのレンタルサーバにMediaWikiをインストールしているという前提で、ざっとまとめてみた。おおまかに言うと、手順は次のとおり。

  1. 現在のデータベースのバックアップ
  2. 現在のMediaWikiのバックアップ
  3. 新しいMediaWikiのダウンロード
  4. 新しいMediaWikiの展開
  5. 新しいMediaWikiを現在のMediaWikiに上書き
  6. データベースを新しいMediaWikiに適合させる

具体的なコマンドは次のような感じ。SSHにログインを参考にSSHシェルにログインして実行する。

mysqldump -h [host-name] -u [user-name] --password=[your-pass] --xml [dbname] > backup.xml
cd www
tar cvzf mediawiki.backup.tar.gz [wiki-directory]
wget http://download.wikimedia.org/mediawiki/1.23/mediawiki-1.23.1.tar.gz
tar xvzf mediawiki-1.23.1.tar.gz
cp -a mediawiki-1.23.1/* /home/[user-name]/www/[wiki-directory]/.
cd [wiki-directory]/maintenance
php update.php

[2016年2月13日追記]

MediaWikiのダウンロードの方法が変わって、HTTPS接続でないとデータを取得できなくなった。また、普通にダウンロードしようとすると証明書関連の問題でアクセスを拒否されることがあるので、--no-check-certificateオプションを追加した(チェックを省略するので、自己責任で!)。また、XML形式でのバックアップはSQLデータベースサーバーに書き戻す時に問題が多々発生することがわかったので、SQL形式でバックアップするように少し見直した。

mysqldump -h [host-name] -u [user-name] --password=[your-pass] [dbname] > backup.sql
cd www
tar cvzf mediawiki.backup.tar.gz [wiki-directory]
wget https://releases.wikimedia.org/mediawiki/1.26/mediawiki-1.26.2.tar.gz --no-check-certificate
tar xvzf mediawiki-1.26.2.tar.gz
cp -a mediawiki-1.26.2/* /home/[user-name]/www/[wiki-directory]/.
cd [wiki-directory]/maintenance
php update.php

[2016年3月13日追記]

更にバックアップまわりを見直し。mysqldump--default-character-set--hex-blobの各オプションを追加した。

--hex-blobオプションは、バイナリカラムを16進数表記でダンプする。例えば、'abc'という文字列のバイナリは0x616263という文字列に変換される。ファイルサイズは大きくなるけど、特殊な文字を使っている場合のデータの欠落を防止することができる。

SQL形式のバックアップ・ファイルからデータベースにインポートできれば、元の状態を完全に復元できる。ただし、MySQLのバージョンが違っていたり、MediaWikiのバージョンが違っていてデータベース構造が変わっていたりすると復元できない可能性が高い。サーバーの引っ越しのためというより、同一サーバー、同一MySQL、同一MediaWikiにおける原状復帰のためのバックアップ・ファイルと割り切ったほうがいい。

念のため、MediaWikiのメンテナンス・スクリプトであるdumpBackup.phpを使用して全記事の全部の版をXML形式でダンプしておくコマンドを追加した。--fullオプションが全名前空間の全記事の全部の版を指定している。

このダンプでバックアップできるのは各種名前空間を与えられた文字だけのページだけで、画像などのメディア・ファイルはバックアップされない。また、データベース全体を復元させることはできないので、rebuildrecentchanges.phpといった別のメンテナンス・スクリプトを実行してテーブルに反映させる必要がある。手間はかかるが、MediaWikiのバージョンが変わっていても復元できる可能性が高いという利点がある。

mysqldump -h [host-name] -u [user-name] --password=[your-pass] --default-character-set=binary --hex-blob [dbname] > backup.sql
cd www/[wiki-directory]
php maintenance/dumpBackup.php --full > backup.xml
cd ..
tar cvzf mediawiki.backup.tar.gz [wiki-directory]
wget https://releases.wikimedia.org/mediawiki/1.26/mediawiki-1.26.2.tar.gz --no-check-certificate
tar xvzf mediawiki-1.26.2.tar.gz
cp -a mediawiki-1.26.2/* /home/[user-name]/www/[wiki-directory]/.
cd [wiki-directory]/maintenance
php update.php

dumpBackup.phpでダンプしたバックアップは、importDump.phpというメンテナンス・スクリプトで書き戻すことができる。--dry-runオプションをつけることで、XMLの解析だけして実際にはデータベースには反映せず、MediaWikiで受け付けられるバックアップ・ファイルかどうかをテストすることができる。

cd www/[wiki-directory]
php maintenance/importDump.php --dry-run < dumpBackup.xml

実行すると、次のようにメッセージが表示される。

100 (131.18 pages/sec 207.26 revs/sec)
200 (219.45 pages/sec 283.09 revs/sec)
300 (229.85 pages/sec 286.54 revs/sec)
400 (279.63 pages/sec 334.86 revs/sec)
Done!
You might want to run rebuildrecentchanges.php to regenerate RecentChanges

参考記事

MediaWikiのインストール手順

最終更新:2016/09/06

現在、このWordPressのブログも含めて、さくらのレンタルサーバを使っているけど、せっかく最大容量が増えて30GBから100GBになったのに、1GBにも満たないほどしか使っていない。月額500円とは言っても少々もったいない気もする。

WordPressには数えきれないほどのプラグインやテーマがあってカスタマイズに自由度があるのが長所。ブログやCMSとしては十分なんだけど、HTMLの文法に制限されるためリンクや段落わけが気軽にできず、ひとつの題材を持った作品やデータベースを少しずつ育てていくという使い方にはあまり向いていないような気がする(あくまでも個人的な感想)。ついつい備忘録的なブログ記事を書いてしまっているのが現状。

そこで、少々敷居は高いけど、ウィキ文法が確立していて記事を編集しやすいウィキペディアで使用されているMediaWikiを導入してみることにした。MicrosoftのWebMatrix3を使用してローカルホストで実験してみた限りではそれほど難しくはなさそうだった。もちろん、ここにわざわざ備忘録を残すくらいなので、設定を半自動的にやってくれるWebMatrix3とは異なり、いくつかハードルにぶかったことは言うまでもない。

インストール要件

MediaWikiは、WordPressと同様に、ホスト側にPHPとSQLデータベースが動作する環境がなければならない。MediaWiki 1.20からPHP 5.3.2以上が必要となったため、WordPressの要件に合わせてPHP 5.2.17を使っている場合は注意が必要。さくらのサーバコントロールパネルの「PHPのバージョン選択」で簡単に変更できる。今回は、PHP 5.4.26に変更した。なお、同じサーバに同居しているWordPressには影響なかった。

データベース作成

いつも使っているウェブブラウザでさくらのサーバコントロールパネルにログインし、「データベースの設定」からデータベースを新規作成する。

既にデータベースを使用している場合は、データベース名を入力して文字コードを選択するだけで設定は終わる。まだデータベースをひとつも作っていない場合は、データベースユーザー名(普通は初期アカウント名)とデータベース接続パスワードを設定する。サーバコントロールパネルにログインするパスワードとは独立しているので、忘れないように記録しておく。文字コードは必ず「UTF-8」を選択する。MediaWikiの初期設定時に使うため、ホスト名も記録しておく。

MediaWikiソフトウェアのアップロード

MediaWikiの公式サイトからmediawiki-1.22.4.tar.gz(2014年3月26日現在)をダウンロードし、ローカルPCの適当なフォルダに解凍する。一般に普及しているFTPクライアント・ソフトウェアで/home/[user-name]/www/以下に作ったMediaWiki用のディレクトリにアップロードする。ディレクトリ名はなんでもいいけど、初期設定が済んでしまうと容易に変更できなくなるので、後で変更するつもりなら今のうちに。ここでは、ディレクトリ名を仮に[wiki-directory]とする。

ちなみに、ついつい使ってしまいそうな/wikiという名前のディレクトリはショートURLのために予約されているので、ショートURLを使うつもりであれば、使ってはいけない。なお、さくらのレンタルサーバーではショートURLを利用できる。詳しくは、MediaWikiでショートURLを使うを参照。

ここで一点だけ注意。それは、FTPクライアントの「アップロード時にファイル名をすべて小文字(大文字)にする」という設定をオフにするということ。MediaWikiのファイルには大文字・小文字を併用しているものがかなりある。MediaWikiの公式サイトのインストールガイドにも太字で Make sure the “Change file names to lowercase” option for upload is disabled. と書いてあるんだけど、リネームするのが面倒で普段は自分のWEBページを更新する時には小文字にしてアップロードするのが当たり前になっていたため、すっかり忘れていた。そのために初期設定からいきなり動かず、2700個くらいあるファイルのアップロードをやり直す羽目に。気をつけましょう。

MediaWikiの初期設定

ブラウザからhttp://[domain]/[wiki-directory]/index.phpにアクセス。インストール要件を満たしているかチェックされ、主にPHPのバージョンが要件に達していない場合は設定を見直して再度アクセスするように促される。要件を満たしていれば、次の図のように「set up the wiki」と表示されるので、それをクリックし、あとは画面の指示に従って入力する。あくまでも例示なので、設定の細部はお好みで。
MediaWiki-1.22.4

言語

あなたの言語 日本語
ウィキの言語 日本語
MediaWikiのインターフェースに使用する言語。

データベースに接続

データベースの種類 MySQL
データベースのホスト 記録しておいたデータベースのホスト名。
データベース名 記録しておいたデータベース名。
データベーステーブルの接頭辞 他のデータベースと識別するためのプリフィックス。MediaWiki専用にデータベースを作った場合は未入力でもいいけど、後で変更するのは手間なので、できればそういうものだと思って入力しておいたほうが無難。後でわかったことだけど、さくらのレンタルサーバーでは独立したデータベースを複数作ることができるので、プリフィックスを入力しなくてもまったく問題ない。
データベースのユーザー名 記録しておいたデータベースユーザー名。
データベースのパスワード 記録しておいたデータベースパスワード。

データベースの設定

ウェブアクセスのためのデータベースアカウント チェックボックスにチェック☑しておく。
ストレージエンジン InnoDB
データベースの文字セット バイナリ
データベースの文字セットをUTF-8にしたのだからUTF-8なのかと思ったら説明書きを読むとバイナリのほうが良さそう。

名前

ウィキ名 これから作成するWikiの名前($wgSitename)。
プロジェクト名前空間 標準記事名前空間と区別してプロジェクト上のメタな事柄を書くための名前空間の接頭辞($wgMetaNamespace)。ウィキペディアなら「Wikipedia:~」がそれにあたる。例えば、Wikipedia:著作権はウィキペディア上での著作権の取り扱いなどを書き、標準名前空間の著作権は「著作権とは何か」を書くための記事。
管理アカウント名前 Wikiにログインして管理するためのアカウント名。最初のユーザーでもある。
パスワード 上記アカウントのパスワード。

以上で、基本的な設定は終了。「私にもっと質問してください。」をチェックして続行すると、引き続き閲覧や編集が可能なユーザーグループを設定したり、著作権などの詳細な設定ができる(機会があれば追加する)。

初期設定が完了すると、LocalSettings.phpというPHPファイルのダウンロードが自動的に始まるので、一回ローカルPCに保存して、[wiki-directory]の直下にアップロードする。

LocalSettings.phpは、DefaultSettings.php(これは変更禁止)を元に、これまで設定した基本データを反映した設定ファイル。暗号化されていないパスワードなどがそのまま書かれているので、他のユーザーに見られてしまうと困る。FTPクライアントの属性変更コマンド(chmodコマンド)で必ず属性(パーミッション)を「700」か「600」に設定して不特定多数が閲覧できないようにしておく。

ちなみに、LocalSettings.phpはいつでも変更できるため、初期設定を変更したくなった場合はUTF-8を編集できるエディタで変更して再アップロードしてブラウザをリロードすると反映される(とは言ってもデータベース関連はいじらないほうが無難だし、いじる必要はそうそう発生しない)。

起動

LocalSettings.php[wiki-directory]に存在している状態で、再び http://[domain]/[wiki-directory]/index.phpにアクセスすると普通ならばおなじみのMediaWikiのメインページが表示されるわけだけど、私はこんなエラーメッセージに阻まれた。

Fatal exception of type MWException Error

どうやら、拡張機能で適当に追加したLocalisationUpdate.phpというファイルが悪さをしているらしい(MediaWiki:当該トラブルシュートスレッド)。そこで、何をするファイルなのかはよくわからないので、ひとまず次のようにコメントアウトして、ようやく起動した。

# Enabled Extensions. Most extensions are enabled by including the base extension file here
# but check specific extension documentation for more details
# The following extensions were automatically enabled:
require_once "$IP/extensions/Cite/Cite.php";
require_once "$IP/extensions/Gadgets/Gadgets.php";
# require_once "$IP/extensions/LocalisationUpdate/LocalisationUpdate.php";
require_once "$IP/extensions/Nuke/Nuke.php";
require_once "$IP/extensions/ParserFunctions/ParserFunctions.php";
require_once "$IP/extensions/Renameuser/Renameuser.php";
require_once "$IP/extensions/SyntaxHighlight_GeSHi/SyntaxHighlight_GeSHi.php";
require_once "$IP/extensions/WikiEditor/WikiEditor.php";

サイドバー

MediaWikiには主要なリンクやツールをまとめたサイドバーというものがある。WordPressのウィジェットとは比べるべくもない簡素な見た目のツール群だけど、これが一定の規則に基づいたキーワードを元にJavaScriptで自動的に生成されているらしく、/[wiki-directory]/skins/common/に格納されているすべてのスキンの根本のCSSであるcommonElements.cssを変更してもリンクの色が変わらない。生成されたソースを見てもよくわからない。

とても人力で解析できそうには思えなかったので、FireFoxの要素解析ツールを使って構造を調べてみた。<a>タグのエレメントに直に割り当ててあったリンク色も上書きしていて複雑なIDとクラスの構造になっていた。その結果を反映したものが次のCSS。これをMediaWikiのサイト上からMediaWiki:Common.cssに反映する。色はお好みで。

div#mw-panel
div.portal
div.body ul li a { color: #003BC8; }

div#mw-panel
div.portal
div.body ul li a:visited { color: #003BC8; }

名前空間

現在、日本語版の名前空間接頭辞はカタカナや漢字に訳されている。一般的にはこのほうがわかりやすいんだろうし、多言語に対応するために英語版の接頭辞も使えるようになっているけど、UTF-8のマルチバイト文字をURLにするとどこの名前空間なのかわかりにくいので私はあまり好きではない。そこで、システムメッセージは日本語のまま($wgLanguageCode = "ja";)にしておいて、名前空間の接頭辞だけを英語版仕様に戻すというワガママ仕様にすることにした。

具体的には、/[wiki-directory]/languages/messages/MessagesJa.phpというファイルを変更し、同じディレクトリにあるMessagesEn.phpから$namespaceNamesをコピーして移入する(システムに直接影響するので、下手に手動入力しないほうが無難)。日本語化されていた接頭辞も念のためエイリアス(別名)として残しておいた。

$namespaceNames = array(
	NS_MEDIA            => 'Media',
	NS_SPECIAL          => 'Special',
	NS_MAIN             => '',
	NS_TALK             => 'Talk',
	NS_USER             => 'User',
	NS_USER_TALK        => 'User_talk',
	# NS_PROJECT set by $wgMetaNamespace
	NS_PROJECT_TALK     => '$1_talk',
	NS_FILE             => 'File',
	NS_FILE_TALK        => 'File_talk',
	NS_MEDIAWIKI        => 'MediaWiki',
	NS_MEDIAWIKI_TALK   => 'MediaWiki_talk',
	NS_TEMPLATE         => 'Template',
	NS_TEMPLATE_TALK    => 'Template_talk',
	NS_HELP             => 'Help',
	NS_HELP_TALK        => 'Help_talk',
	NS_CATEGORY         => 'Category',
	NS_CATEGORY_TALK    => 'Category_talk',
);

$namespaceAliases = array(
	'ノート'               => NS_TALK,
	'利用者‐会話'         => NS_USER_TALK,
	'$1‐ノート'           => NS_PROJECT_TALK,
	'画像'                 => NS_FILE,
	'画像‐ノート'         => NS_FILE_TALK,
	'ファイル‐ノート'     => NS_FILE_TALK,
	'MediaWiki‐ノート'    => NS_MEDIAWIKI_TALK,
	'Template‐ノート'     => NS_TEMPLATE_TALK,
	'Help‐ノート'         => NS_HELP_TALK,
	'Category‐ノート'     => NS_CATEGORY_TALK,
	'メディア'             => NS_MEDIA,
	'特別'                 => NS_SPECIAL,
	'トーク'               => NS_TALK,
	'利用者'               => NS_USER,
	'利用者・トーク'       => NS_USER_TALK,
	'$1・トーク'           => NS_PROJECT_TALK,
	'ファイル'             => NS_FILE,
	'ファイル・トーク'     => NS_FILE_TALK,
	'MediaWiki'            => NS_MEDIAWIKI,
	'MediaWiki・トーク'    => NS_MEDIAWIKI_TALK,
	'テンプレート'         => NS_TEMPLATE,
	'テンプレート・トーク' => NS_TEMPLATE_TALK,
	'ヘルプ'               => NS_HELP,
	'ヘルプ・トーク'       => NS_HELP_TALK,
	'カテゴリ'             => NS_CATEGORY,
	'カテゴリ・トーク'     => NS_CATEGORY_TALK
);

参考記事