Background
Organic Metal Doll (OMD)


OMDとは What's OMD

上はイメージ図
本文とは関係ありません。
 OMD(Organic Metal Doll)とは、人類が培ってきたバイオテクノロジーと、サイバネティクス(人工頭脳学)の融合の頂点として生み出された有機機械人間である。
 体や頭脳がすべて有機体で造られているわけではないので人造人間とも違い、有機体によって構成されている部分もあるのでサイボーグとも違うものとして分類され、初のOMDを造りだしたキュヴィエ博士によりOMDと名付けられた。
 OMDの外見は必ず若い女性型である。造られたときから10代から20代の姿で、成長もしないが、老化もない。OMDが女性型であるのは、OMDの生みの親である故キュヴィエ博士の遺志によるもので、決して変えてはならないものとして引き継がれている。
 キュヴィエ博士が若い女性型にこだわった理由は諸説様々だが、キュヴィエ博士は生涯独身で、当然ながら死ぬまで子供がなかった。女の子供が欲しかったキュヴィエ博士はOMDにそれを投影した、というのが有力な説である。
 しかし、いたずらに生命を生み出すことに対する宗教上の問題や、最終的には金銭で取り引きされるという倫理上の問題から彼を批判する人々は彼をただの性倒錯者として扱うことが多く、擁護派としばしば対立する。
 また、彼の人間嫌いだった性格や、なぜ女の子供が欲しかったのかという理由が明らかにされていないことから判断して、生身の女性に興味がなかったのでは、とするゴシップ好きの人々も決して少なくはない。

OMDの用途 Use for OMD
 OMDは地球圏全体で約500万体存在する。基本的に、頭脳が破壊されない限り死亡することがないので、数は増える一方である。しかしながら、OMDそのものの単価が高く、量産性の低いものであるため、数が揃わないと使いものにならない用途には使用できない。そのため、軍事利用には向かない面もあるが、ゆくゆくはOMDを広く実戦に投入しようと考えているGUSFは、先行投資という形でOMDの開発・コストダウンの研究費に多額の予算を割いている。
 OMDは、人間よりも高い耐久性をもっている(後述)ため、人間では扱いきれない強力なパワードスーツを装備することができるなどの利点を多く持っている。また、頭脳さえ無事ならば体は再生が利くのも利点のひとつであるが、コスト面の問題はいかんともしがたく、今のところはこれといって決まった用途がないのも事実である。
 OMDは外見こそ人間だが正確には人間でないため、初期には人権もなく、それを逆手に取った一部の富豪に隷従させられ虐待を受けるという実例もあったが、近年OMDも一個の人格を持つものとして認識されるようになっている。ある裁判では、OMDに対する虐待に対して法的な保護がなされ、被告に厳重な罰が下されたことで大いに報道を賑わせた。
 しかしながら、前述のように、OMDが金銭で取り引きされている現状は変わっておらず、OMDが人間と同等の立場に立つ日は限りなく遠いか、あるいは訪れないと言われている。
CGGUSFに配備されている新型OMD MX53-ALシリーズの二号体?ルフィ?
OMDの構造 Structure of OMD
 OMDの骨格にはチタン合金製の軸を持った有機金属繊維の人工骨が使用されており、人間の骨格の約5~10倍の強度を持つ。また、電気信号に対して伸縮するゲル状新有機素材により筋肉が構成されている。
 頭脳は人間の大脳皮質とほとんど同じ組成を持つ有機頭脳部とスーパーコンピュータ級の処理能力を持つ電子頭脳部により構成されている。これにより、人間のような柔軟な思考に加え、正確かつ高速な演算、処理を行うことができ、理論的には無限のメモリーを持つ。しかしながら、軍事機密・企業秘密により、具体的な構造に関してはまったく公開されていない。
 また、航宙機や宇宙艦艇のコンピュータとリンクし、瞬時に的確な機動・攻撃を行うことができる。
 体内温度の調整と酸素・エネルギー・老廃物の運搬のため、人工血液を通す血管が体中に張り巡らされている。色は本来は無色透明だが、周囲の人間の心理的影響を考慮して、肌の色を人間に近くするために赤色に着色されている。着色による人工血液そのものの機能の低減はほとんどないとされている。
 人工血液の膨張があるため、真空中での活動を行うためには宇宙服を着用する必要があるが、人工血液は酸素の運搬効率がきわめて高いため、気圧さえ1気圧に近ければ、酸素が希薄な空間でも生存することができる。
 エネルギーは人間と同様に経口で摂取し、人間の消化器官と同様の機能を持った器官でエネルギーに変換・蓄積されるが、その変換方法は機密となっている。口に入りさえすれば大抵のものはエネルギーに変換できるので、そこらへんに生えている草や土でも良い。また、OMDに味覚はない。
 味覚と同じく嗅覚もなく、味や匂いは基本的にわからない。そのため、どうしても行動が人間離れしやすい。近年、OMDに味覚と嗅覚を与える研究が成功を修め、より人間に近いOMDを造ろうとする研究者達によって研究が続けられている。
 現在テスト中のキュヴィエ・バイオケミカル社製MX53-ALシリーズでは嗅覚と味覚が追加されている。OMDに嗅覚や味覚が追加されるとどのような変化があるのかという実験がGUSF内で行われており、その結果が注目されている。

MENUHOME